今こそ「走塁」の面白さに注目
昔から野球の醍醐味はやはり豪快なホームランや、圧倒的な奪三振。確信歩きと言う言葉もありますが、
打った瞬間に「スタンドに届く。」と確信した打球はテレビ越しでも胸が高鳴ります。
また、直球で相手を空振りにするほどの豪速球は見ていて爽快な気持ちになります。
しかし上記のニつはもちろんの事、最近は「走」にも注目が集まります。
各チームに一人は走塁のスペシャリストと呼ばれる走塁に特化した人物を用意しておきたい程です。
「走塁」と聞いて、みなさんは誰を一番に思い浮かべるでしょうか?
現役では中学時代に陸上競技の全国大会において100m走、200m走の部門で優勝経験のある日本ハムの五十幡亮汰選手や
長身を生かした大きなストライドで軽やかに走り、躊躇がない走塁を見せるロッテの和田康士朗選手、
大学3年秋に参加した日本代表候補合宿の50m走計測において、当時一緒に参加していた中央大学の五十幡亮汰選手の5秒42を上回る5秒32を記録し、圧倒的な俊足をアピールしたヤクルトの並木選手などもいますが、
やはりこの選手を1番に思い浮かべる方が多いのではないのでしょうか
「走塁」といえば、この男
それは現ソフトバンクの周東佑京選手です。
代走というのは試合を左右するとても緊張した局面で送られます。
もし牽制でアウトになればチームの勝敗に大きく影響するほど非常に重要な場面です。
代走ということはそれまでの時間、試合には出ていないため、ベンチ裏でしっかりとした準備を行っておく必要があります。
周東選手が一塁にいると、「一塁でも得点圏」という言葉を耳にしますが、本当にそうで、打球が外野を抜けている間にホームインをする姿を何度も見てきました。
彼には、一塁でも得点圏の他に、二盗三盗周東などのキャッチフレーズも存在します。
国際大会での周東佑京選手の「走り」をもう一度…
周東選手は現在では日本を代表する走塁のスペシャリストです。
国際舞台でも持ち味を十分に発揮し、まるで水を得た魚のようにダイヤモンドを走りまわる姿は、感動すら覚えます。
記憶に新しい試合で言えば、WBC2023の準決勝メキシコ戦。一点ビハインドの九回裏。
大谷選手のニ塁打、吉田選手の四球により無死一塁ニ塁。
そしてここぞと言う場面で一塁ランナーの吉田選手に代わり代走で周東選手登場。
打撃不振の村上選手が放った打球はセンター後方へ。一塁ランナーの周東選手は迷わずホームへ生還。
ニ塁ランナーの大谷選手を追い抜くような凄まじい走りは、迷いのない覚悟を決めた走りのように見えました。
そして試合はサヨナラ逆転勝利。テレビ越しで見ていましたが、鳥肌が止まりませんでした。
その後のインタビューで周東選手は、村上選手の打球を常に練習から見ていたので「この角度、この打球ならいける」と瞬時に判断したというエピソードを話していました。
そして、三塁ランナーコーチの白井ヘッドコーチは
「周東をホームに回すか止めるか非常に難しい場面でしたが、ベンチをみたら三十人ものランナーコーチがいたので何も臆することなく回すことができました。」
と試合後の会見で話をしていました。
野球は走攻守ともいいますが、やはり目立つのは豪快なホームランや華麗な守備です。
走塁は派手さや華やかさにはやや欠けますが、チームに勢いや活気を与え、「いけるぞ!」という熱い気持ちを浸透させる事ができます。
これを機に走塁にも注目し、野球の試合を観てみてはいかがしょうか?
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