甲子園という晴れ舞台で躍動する高校球児。
その陰では多くのスタッフや野球関係者の方々の協力があります。
今回は「神整備」と呼ばれる阪神園芸さんについて紹介します。
甲子園球場の整備は1月から始まる
私たちがテレビなどで見かける彼らの整備はほんの一部。
本当の意味での整備は、毎年1月からはじまっているという。
オフシーズンの1月から2月末にかけて、内野のフィールド部分を約25cm前後、耕運機で畑のように掘り起こし、それが1年の状態を決める。
甲子園球場のグラウンドは“水もちのいい黒土”と“水はけの良い砂”をブレンドしてつくっており、冬の時期にグラウンドをしっかりと掘り起こし撹拌して、1ヶ月半かけてゆっくりゆっくり固めていく。
この作業によって下層は弾力があり、上層は適度な硬さのある良いグラウンドになるようです。
こうやってしっかりと土台づくりをしているからこそ突然の雨にも強く、水溜りができにくい良いグラウンドができあがります。
こんな最高なグラウンドで一度で良いからプレーしてみたいものです。
一番大事なのは人の目と手
7〜8月の晴れ間が続く日は、土が乾いてしまっているので散水からはじめる必要があります。
グラウンド状況と天候をみて、その日にできる“最良のグラウンド状態”にしている。
整備で一番難しいのは実はトンボかけと散水。
練習や試合でグラウンドを使うと、あらゆるところに凸凹ができる。それを元の状態に戻すためにトンボで均していくが、ただ単に平らにするのではなく移動してしまった土を“元の位置に戻す”のだという。
勾配の微妙な変化をトンボから伝わる感覚と目視で感じ取れるようになるには2、3年かかるようです。
まさに職人の業ですね。
甲子園のシンボルを以前の姿に
甲子園球場のシンボルといえば、球場をぐるりと取り囲む“ツタ”ですね。
1924年の球場の設立から植栽が始まったツタの壁は、2006年の球場リニューアルに伴い伐採されましたが、2009年に再度植栽がスタートしました。
植えたら終わりではなく、日々のメンテナンス・灌水に加え、夏場は台風などの災害対策も仕事の一つ。
球場1周でツタは300株以上。それぞれの状態に合わせた手入れは、想像するだけで気が遠くなりそうです。
リニューアルから10年以上経って、ようやく30〜40%程度がツタで覆われましたが、元の状態に戻るのはまだ20〜30年先になりそうと。
以前のように生い茂ったツタに囲まれた甲子園球場の姿を早く見てみたいものですね。
阪神園芸さんの主な仕事?
阪神園芸さんは甲子園球場の整備だけが仕事ではなく他にも様々な仕事をしています。
●環境緑化工事の施工、施工管理
●緑化施設の維持管理
●グラウンド等スポーツ施設の施工、施工管理
●公園施設等の運営管理
●室内緑化の提案営業・レンタル
運動施設の整備や維持管理はもちろんのこと、屋外や屋内の緑化デザインから施工までしているのは知りませんでした。
甲子園球場の管理技術の高さを見せられると、是非運動施設の整備や緑化工事もお願いしたくなりますね。
気になる年収は調べたところ350〜500万円でした。
なんと、福利厚生に阪神タイガース観戦チケット(年1回)配布がありました。
阪神ファンや甲子園球場が好きな人にとっては最高なお仕事かもしれませんね。
選手達が気持ちよく野球ができるように最善を尽くす阪神園芸さん。
陰で選手達を支える彼らの姿を今後も注目していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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